「ヨガは自我を手放し、ピラティスは自我を育てる?―真逆に見える2つの身体哲学」
2026/09/17
「ヨガとピラティスって、似ているようで何が違うんですか?」
ヨガとピラティスの違いについて。
よく聞かれる質問です。
どちらも呼吸を大切にし、身体を丁寧に動かします。
しかし、そのルーツをたどると、興味深い違いが見えてきます。
一つの捉え方として、
ヨガは「自我からの脱却」
ピラティスは「自己を認識し、コントロールする」
と考えることができます。
ヨガは「手放していく」
古典的なヨガの思想では、
単に身体を柔らかくしたり、難しいポーズを完成させたりすることが最終目的ではありません。
「私はこういう人間だ」
「もっとできなければ」
「人からどう見られているだろう」
そんな自我や思考への執着から少しずつ離れ、
心の働きを静めていく。
つまり、ヨガには「自分という存在に囚われすぎない」という方向性があります。
ピラティスは「自分を知っていく」
一方、ジョセフ・ピラティスが考案したピラティスは、もともと「Contrology(コントロロジー)」と呼ばれていました。
自分の身体が今どこにあり、どう動いているのか。
骨盤はどう動いた?
肋骨は広がった?
右と左で違いはある?
呼吸をしたとき、身体のどこが動いた?
こうしたことを感じながら、自分の身体を自分で扱えるようにしていきます。
ですから「自我を達成する」というより、自己認識を深め、身体をコントロールする力を育てるものと表現したほうが近いでしょう。
では、
ヨガとピラティスは真逆なのか?
私は、真逆ではなく、違う方向から同じ「自分」に向き合っていると考えています。
ピラティスで、自分を知る。
ヨガで、自分への執着を手放す。
言い換えるなら、
「自分を知るためのピラティス」
「自分に囚われないためのヨガ」
です。
だから、ヨガもピラティスも指導する先生がいることに矛盾はありません。
むしろ人間には、「自分の身体をコントロールする力」と同時に、「コントロールしようとしすぎない力」の両方が必要なのではないでしょうか。
身体調律が目指している、その先
R-zoneの身体調律も、身体をただ「正しい位置」に合わせることだけを目的にはしていません。
身体の状態に気づく。
必要なら動かす。
必要なら力を抜く。
そして、ときには「こう動かなければならない」という考えそのものを手放す。
ヨガは、手放す。
ピラティスは、気づき、コントロールする。
身体調律は、その両方を必要に応じて使い分ける。
身体を整えるということは、身体を完全に支配することでも、すべてを脱力することでもありません。
自分の身体を知りながら、自分の身体に囚われすぎない。
その間を自由に行き来できること。
そこに、本当の意味での「整った身体」があるのかもしれません。
ちなみに私のピラティスでは
頑張りすぎる人には
「いい意味で、諦めてください」と
言ったりします。
諦めは決して
ネガティブなことではなく
心身を知り尽くして
いま余分なものから遠ざかる
ということです。
自由に行き来する
フレキシブルな自分にこそ
整った一筋の軸が
存在していけるはずです。
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